その国の公共サービスの場 (医療や福祉、教育、司法など) でその国における外国人をサポートする通訳である。アメリカやオーストラリアなど通訳者の国家資格がすでに整備されている国ではこの種の通訳がプロフェッショナルの仕事であるという観点から、公共サービス通訳者と呼ばれることがある。中でも「医療通訳」および「司法通訳」が代表的である。司法通訳は、警察の捜査・取り調べ・拘置所・留置所での勤務などを行う「警察通訳」と裁判の場で通訳を行う「法廷通訳」に分類される。警察通訳の場合は、公務員として雇用されて働くケースもある。医療通訳は医師が使う医療の専門用語の理解も必要でありまた普通の人が使う「身体感覚」的なニュアンスに満ちた日常表現を的確に異言語に置き換え医師に伝える必要もあり専門性は高い。
日本に長期滞在している外国人の数は2020年時点ですでに250万人を超えており、それらの人々は日本で医療や司法を利用する場面もあり、実際には需要はそれなりにある。だが日本という国はそもそも人権意識が非常に低い劣悪な状態が放置された国であり[2]、外国人を軽視・蔑視しているせいなのか、公共サービス通訳の重要性を直視してこなかった。日本では今までのところ公共サービス通訳の資格制度が無く、報酬が会議の通訳などよりはるかに低く、さらに言うと、日本の行政制度が外国人軽視・蔑視せいなのか公共通訳の報酬の額すら決めていないせいで、結果として従来は無報酬で(その状況に陥った外国人の悲惨な状況を見かねて「ボランティア」で)行われる場合が多く、通訳の質についても全く保障されていなかった。しかしながら、特に医療や司法の通訳は他者の人生を左右する可能性が高く、内容の専門性も高いため、通訳に際しての倫理規定の制定や、通訳者の質及び報酬を保証するための資格制度の必要だと指摘されている.

